独力で確定申告を行い、その内容に誤りがあることにも気付かなかったために修正申告も行えず、税務調査で指摘されてしまった、というような事態を回避するためには、確定申告の方法や流れ、税務調査とは何かについて把握しておくことが重要です。
本稿では、それらの流れを確認しつつ、税務調査前に申告内容の見直しや修正申告をするメリットについてみていきましょう。
確定申告について
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じたすべての「所得金額」と、それに対する「所得税と復興特別所得税」の額を計算し、納税する手続きのことを指します。
実施期間は毎年2月16日~3月15日です。
修正申告について
修正申告は、確定申告の内容が間違っていた場合の修正方法の1つです。
確定申告の修正方法には3つの修正方法があり、以下の通りです。
- 申告期限前の修正…訂正申告
- 申告期限後の修正で、申告金額が多い、もしくは還付金額が少ない場合…更正の請求
- 申告期限後の修正で、申告金額が少ない、もしくは還付金額が多い場合…修正申告
修正申告は、「期限内に申告はしたものの申告期限が過ぎた後に申請内容の誤りに気付き、その修正のために再度申告を行うこと」と理解しておくとよいでしょう。
税務調査について
税務調査とは、確定申告された内容が、税法にのっとって正しく申告されているかチェックするための調査や審査です。
調査タイプには任意調査と強制調査の二つがあり、任意調査は、主に税務署で行われる準備調査と調査先に出向いて検査を行う実地調査にさらに分けられます。
主に毎年8月中旬から11月中旬までの時期に行われることが多いです。
税務調査前に申告内容の見直しや修正申告をすべき
確定申告と修正申告の時系列を整理すると、次のようになります。
- ① 2月~3月中旬 :確定申告を行う
- ② 3月中旬 : 申告期限の到来
- ③ 3月中旬以降 : 申請内容の誤りに気付き修正申告を行う
- ④ 8月中旬~11月 : 税務調査が行われる
では、税務調査前に申告内容の見直しや修正申告を行うメリットについて考えてみましょう。
税務調査前に申告内容の見直しや修正申告を行うメリットは、加算税を回避できる可能性が上がることです。
仮に申告内容の誤りに気付かず修正申告も行っていなかった場合で(上記③がない場合)、税務調査でそれが初めて露見すると、差額分の税額である追徴課税のほかに、内容に応じて加算税が課せられる可能性があります。
課せられる可能性のある加算税は、以下の通りです。
- 過少申告加算税
- 期限内に申告された金額が、あるべき納める金額より少なかった場合に課せられます。
「期限内に申告はしたけど、金額に誤りがあった」ということです。 - 重加算税
- 過少申告加算税、無申告加算税のどちらかが課せられる場合において、計算の基礎にあたる売上金額や費用の金額などを隠蔽したりした場合に課せられます。
粉飾決算などで利益を水増ししていたことが発覚した場合などの悪質なケースで課せられるケースが多いです。
つまり期限内に確定申告を実施した場合でも、税務調査が活発になるであろう8月前に再度申請内容を確認することで、万が一申告税額が過少であったとしても速やかに修正申告を実施し加算税を回避する可能性を上げることができます。
これが見直しを行う最大のメリットといえるでしょう。
期限内に確定申告を実施しただけで満足せず、申告内容に誤りがないか見直す癖をつけることをお勧めします。
税務代理・調査対応のご相談は若原正勝税理士事務所にお問い合わせください
税申告の流れは複雑であり毎年のように税制も変わるため、キャッチアップするのにも一苦労することが多いです。
また、税金の支払いは損金算入できず純粋にキャッシュアウトになってしまい、個人事業主や企業にとって大きな損になってしまいます。
専門家である税理士に相談し、最初の確定申告時はもちろんのこと、税務調査が実施される前にも申告内容に誤りがないかを確認することをお勧めします。
若原正勝税理士事務所では確定申告の支援も実施しております。
お悩みの皆様は、若原正勝税理士事務所にお気軽にご相談ください。