日本で設立することのできる会社の種類に、株式会社と合同会社があります。
どちらも法人格を有しており、税制面や契約等に差はありませんが、会社設立時の費用や、出資者と経営者の関係性、代表者・役員、最高決定機関等、異なる点も多くあります。
■会社設立時の費用
会社を設立する場合、登記申請を行う必要がありますが、その際、「登録免許税」がかかります。
この費用は、株式会社が15万円、合同会社が6万円となります。
また、株式会社は定款認証が必要であり、謄本交付手数料を含めて5万2千円の費用がかかります。一方で、合同会社は定款認証が必要ありません。
他にも、株式会社と合同会社に共通する設立時の費用として、会社の実印と印鑑証明書、個人の実印、個人の印鑑登録、個人の印鑑登録証明書それぞれの登録料が必要となります。
なお、最低資本額は、株式会社も合同会社も同じく1円以上と同じです。
■資本金の出資者
株式会社では、出資者と経営者が分離しています。ただし、出資者であっても株主総会で取締役に選任されれば業務執行が可能となります。
合同会社では、出資者のことを社員と呼び、社員と経営者は一致します。
また、株式会社では株式の公開は任意となっていますが、合同会社にはそもそも株式がありません。
■代表者と役員
会社には代表者と役員がいますが、株式会社の代表は「代表取締役」がなります。
合同会社の代表は「代表社員」になり、「代表取締役」とは区別しなくてはなりません。
役員に関しては、合同会社と株式会社とも最低1名(合同会社は社員が1名、株式会社は取締役が1名)から設立できます。
役員の任期については、株式会社は取締役や監査役の任期に制限がありますが、同役職に再選が可能です。
なお、株式譲渡制限の設定を条件に、取締役では原則2年の、監査役では原則4年の任期が最長10年に延長することができます。合同会社は役員の任期はありませんが、役員が退社した場合は登記の変更が必要です。
■経営方針の決定
最高意思決定機関は、株式会社では株主総会となっています。合同会社では経営の決定を定款によって行います。定款は出資者全員の同意で決定されます。
「公告」とは会社から、利害関係人に対する「お知らせ」です。株式会社は計算書類の公告が義務となっていますが、合同会社は公告の義務はありません。
株式会社と合同会社の大きな違いは以上となります。どちらの会社を設立するかは、業種や事業規模、資金や将来の見通しを検討した上で選択する必要があります。
若原正勝税理士事務所では、港区、大田区、品川区、目黒区を中心に、一都三県の関東の地域において、定款作成、登記申請書、商号調査など、会社設立・起業支援全般の法律問題についてご相談を承っております。
お悩みの際はお気軽に当事務所までご相談下さい。
「株式会社」か「合同会社」か
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