税務調査は、テレビに出てくるようなB to Cの会社が調査対象になることが多いですが、法人を対象として行われるだけではなく、個人事業主も対象となります。
ここでは個人事業主の皆様を対象にした税務調査についてみていきましょう。
税務調査の対象になりやすい個人事業主
税務調査とは、納税者によって申告された内容が、税法に則って正しく申告されているかチェックするための調査、審査のことをいいます。
調査のタイプには任意調査と強制調査の二つがあり、一般的に税務調査と聞いてイメージされるものは、ほとんどが任意調査に分類されます。
任意調査は、主に税務署で行われる準備調査と調査先に出向いて検査を行う実地調査があり、実地調査は、さらに一般調査、現況調査、特別調査、反面調査に分けられます。
一般調査とは、提出された申告書の内容が税法通りに処理されているかどうか確認するために行われているものです。
では一体、どのように税務調査の対象になる個人事業主が選ばれるのでしょうか。
税務署も忙しいので、過去の傾向から不正を行う可能性の高い個人事業主にあたりを付けています。
例えば、以下のような特徴をもつ個人事業主は、調査の対象になりやすい傾向があります。
- 事業開始後ある程度の年数が経過している
- 会計処理の誤りが発生している可能性が高い、また事業が軌道に乗り始めている時期であり、不正発生の土壌ができている可能性が高いことが理由として挙げられます。
- 対前年度比較で売り上げや費用の増減が激しい
- 対前年度比較で、売上の数値が大幅に伸びている場合も、調査対象になる可能性が高いです。
企業努力によって適切に売上が伸びていればよいのですが、小手先の不正な会計処理で売り上げを水増ししようとしているケースも想定されるからです。
また、計上時期の誤り、取引循環取引なども調査されます。 - 過去に不正が多く行われている業種
- 不正が行われた場合、国税庁は業種ごとに記録を残します。
過去の調査記録から不正が多く行われやすい業種である場合、税務調査の対象となる可能性が高いでしょう。 - 過去に調査が行われたことがある
- 一度税務調査が行われたことがあると、再度調査が行われる可能性が高いです。
更に過去の調査で指摘事項を受けている場合は、それがきちんと修正されているかを確認するという意味でも、調査が行われるケースがあります。
税務調査の対象となった場合の対処法
税務調査の対象となってしまった場合には、以下に留意して準備を進めることが重要です。
- 個人事業主の税務調査が行われる時期
- 税務調査が行われる時期は法律などによって特段定められているわけではありません。
任意調査の場合、確定申告の業務が落ち着いてくる4月~5月ごろに実施されることが多いです。
ただし、裁判所の令状をもって事前連絡なく強制的に行われる強制調査はこの限りではありません。 - 個人事業主の税務調査で調べられる項目
- 国税庁や税務署が調査を行う際は着眼点をもって事前に洗い出した項目について重点的に調査することがほとんどです。
以下に調査において対象になりやすい項目を挙げてみます。
売り上げ
「売上高」は税務上の益金であり、必ず確認されるといってよいでしょう。
税金計算上最も基礎になる部分です。
「認識時点に誤りはないか」「循環取引を行っていないか」「過少に見せるように粉飾していないか」などが調査されます。
交際費
「本当に交際費として計上してよいのか」という観点で、勘定科目使用の妥当性がチェックされます。
法人の交際費は税務上の損金にすることはできません。
よって課税所得の低減を目的として、恣意的に他の科目で処理するケースがあるのです。
個人事業主のケースですと、私的な支出を交際費として処理していないかどうかに留意しましょう。
例えば友人との飲食代を経費で落としたいがために、交際費で計上してしまう場合などです。
税務代理・調査対応のご相談は若原正勝税理士事務所におまかせください
税務調査は、法人か個人事業主かにかかわらず、いつ誰が調査対象になってもおかしくありません。
日頃から税務調査に耐えられるだけの準備をしておくのがベストではありますが、個人事業主の皆様の場合、リソースを割くことが難しいこともあるでしょう。
そのような場合は、会計税務の専門家である税理士に相談することをお勧めします。
若原正勝税理士事務所では、税務調査対応経験が豊富な税理が在籍しております。
税務調査対応のご相談は若原正勝税理士事務所におまかせください。