会社の設立後は、本店所在地管轄の税務署に対して税務に関する各種の届け出を行う必要があります。
税務署に提出すべき書類には次のようなものがあります。
■法人設立届出書
法人設立届出書とは、設立した法人の概要等を税務署に知らせるための書類のことをいいます。
法人設立届出書は、法人の設立後に作成する必要があり、その設立日から2ヶ月以内に税務署に届出をしなければなりません(法人税法148条、法人税法施行規則第63条)。
届出書を提出する際には、定款のコピー、登記事項証明書、株式名簿または社員名簿、設立時の貸借対照表を添えて提出します。
■青色申告の承認申請書
法人税の確定申告については、「青色申告」と「白色申告」の2種類の申告方法から選択します。
青色申告とは、日々の取引状況を帳簿に複式簿記で記帳し、それに基づく申告をすることを言います。
青色申告には、決算赤字の繰り越しや、法人税額の控除等の税金上のメリットがあり、節税対策には青色申告の申請は必須と言えます。
青色申告の承認申請書の申請期間は、会社設立から3ヶ月以内か、または最初の事業年度の終了日のいずれか早い方までとなっています。
■給与支払い事務所等の開設申請書
会社を設立すると役員や従業員への給与支払いが発生します。その際に、会社は支払う給与の中から税金(源泉所得税)を天引きして預り、給与の支払いを受ける人に代わって税務署に納付しなければなりません。
会社設立にあたっては、源泉徴収事務の開始を事務所開設から1ヶ月以内に報告しなければなりません。
■源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書
原則として、源泉徴収の納付は、月ごとに行うこととなっています。
しかし、給与を支払う従業員が10名未満の小さな会社は、源泉徴収の納付を年2回にまとめて行うことができるという特例が設けられています。
この特例を適用するためには、この源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書を提出する必要があります。
■棚卸資産の評価方法の届出書
会社は、一定の評価方法に基づき棚卸資産(在庫等)の額を決定し、資産として決算書に組み入れ、正しい利益を算出します。
この棚卸資産の評価方法については、届出ることによって自社に適したものを選択することができます。
棚卸資産の評価方法の届出は、最初の確定申告の提出期限までに提出することとなっていますが、届出がない場合は、商品の最終仕入価格をその商品の棚卸価格とする「最終仕入原価法」が採用されます。
■減価償却資産の消却方法の申請書
会社が事業を行う上で必要な建物や自動車、パソコン、コピー機、などは購入してから時間が経つに従い、価値が減少していきます。これを「減価」といいます。
会社は、この減価を経費として計上することができます。
減価の償却方法としては、毎年一定額を計上していく定額法と、毎年一定の割合で計上している定率法の2つが主となります。
届出がない場合には、自動的に定率法が適用されます。
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